土壌のリン酸およびアンモニウム吸収懸濁系の水希釈による養分吸収係数の変化について
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
[Author abstract]The study had carried on the dissolubilities of phosphate and ammonium ions which absorpted with usual plant nutrient absorptive coefficient method(neutral 2.5% ammonium phosphate solution added to the soil with soil: solution ratio are 1;2. and soil suspensions keeped a day. The components of phosphate and ammonium were determined in the filtrates. The coefficients were expressed in P_2Osmg or N mg per lOOg soil from decrease of the components.) The purpose of the experiment are to define the coefficients concerned to the ions solubilities in filtrate. The resultes are summarized as follows. 1. The absorptive coefficients had the larger effect on original solubilities of suspension than after diluted with same volume distiled water, but, the treatments of water dilution had the considerable effect on each chemical potential. 2. Since the ionicspecies of phosphate had been controled of the pH of filtrate, thire each concentrations did not corresponded to phosphorus absorptive coefficient, but corresponded to nitrogen. 3. The ionic strengths of the filtrate were opposed to absorbe the ions by soil particles, but thire alternation with diluted treatment influenced not only on the diluted effect, but on the dissolusion of absorpted ions. 4. A resemblance of phosphate and ammonium ions dissolubility with water dilution asumed that the absorption of phosphate by soil is correlated to dissolution of ammonium. 5. The phosphate potentials toward the ammonium (pH_2PO_4 +pNH_4) were equivalented to the both coefficient, and suggested the power of component absorption by soil.[著者抄録]本報は中性2.5%リン酸アンモニウム溶液(常法)による土壌の養分吸収係数測定法で吸収したリン酸およびアンモニウムの希釈による溶出性について溶液化学的方法で検討を行なった。そして、土壌の養分吸収係数の実体を明らかにすることが目的である。吸収成分の溶出性については常法による成分吸収後に水による倍量希釈を行なっており、濾別液中の主要イオン成分の溶存性、化学ポテンシャルの変化などを考察し、以下の結果を得た。1.土壌の養分吸収係数は当初の成分溶存性により強く影響を受け、水希釈の影響は大きくなかった。しかし、水希釈操作は各ポテンシャルの変化に影響を及ぼした。2.リン酸の各イオン濃度は外液のpHにそれらのイオンの配分が支配され、リン酸吸収係数に対応しない場合が多い。3.外液のイオン強度は成分の吸収によって影響を受けるが、水希釈によるそれらの変化は希釈による効果だけでなく、吸収成分の溶出による影響も受けた。4.リン酸とアンモニウムの水希釈による行動の類似はリン酸の吸収に起因するアンモニウムの溶存性が推察される。5.アンモニウムイオンを対象としたphosphate potentialは土壌の養分吸収係数とよい対応を示し、養分の土壌による吸収力を示唆するものと考えられる。
- 近畿大学の論文
- 1975-03-15
著者
関連論文
- 2-5 土壌の養分吸収に関する研究(その1) : りん酸と窒素イオンの吸収に及ぼすイオン強度の影響について(2.土壌有機および無機成分)
- 土壌中におけるリン酸一カルシウムの行動に関する研究(第1報) : 特に局部濃厚施用のリン酸一カルシウム溶解について
- 7-17 河内地方における埋没水田遺構土壌の二・三の理化学性と水稲生育について(7.水田土壌の肥沃度)
- 9-23 八尾市木ノ本水田遺跡の土壌肥料学的調査について(予報)(土壌生成・分類および調査)
- 長期無施肥水田土壌における二三の植物養分の動態について
- 11-5 土壌による重金属(Cd,Cu,Zn)の吸収と溶出に及ぼす腐植の影響(11.環境保全)
- リン酸ニアンモニウム処理によって土壌に吸収させたCdの溶出と吸収Cd形態の関係
- 11-5 リン酸二アンモニウム処理によって土壌に吸収させたCdの溶出と吸収Cd形態の関係(11.環境保全)
- 土壌のCd吸収力に及ぼすリン酸ニアンモニウムと硫酸アンモニウムの影響
- 6 土壌の養分吸収に関する研究(その7) : 養分吸収係数と吸収量の比較について(関西支部講演会講演要旨(その2))
- 11-21 土壌のカドミウム吸収におよぼすリン酸アンモニウムと硫酸アンモニウムの影響(11.環境保全)
- 2-1 土壌の養分吸収に関する研究(その8) : 養分吸収係数と吸収成分の溶存性からの吸収力について(2 土壌有機および無機成分)
- 土壌のリン酸およびアンモニウム吸収懸濁系の水希釈による養分吸収係数の変化について
- 17. 土壌の養分吸収に関する研究(その5) : 吸収係数測定後の処理土壌のリン酸および窒素の溶出性について(関西支部講演会(その1))
- 2-23 土壌の養分吸収に関する研究(その6) : リン酸および窒素吸収係数におよぼす土壌の加温,湛水処理および反応液のpHの影響について(土壌有機および無機成分)
- 土壌のリン酸および窒素吸収係数におよぼす共存塩類のイオン強度の影響について
- 10 0.01規定CaCl_2溶液による土壤pH測定の場合の主要イオン溶存性について(日本土壤肥料学会関西支部講演要旨)
- 2-41 土壤の養分吸収に関する研究(その4) : 希薄リン酸アンモニウム溶液による成分の吸着および溶存性について(2.土壤有機および無機成分)
- 土壌のリン酸および窒素吸収係数測定時におけるイオン溶存性とその電気伝導度の関係について
- 土壌のリン酸およびアンモニウム吸収に関する研究(第1報) : 養分吸収係数の測定法における中性リン酸アンモニウム濃度の影響について
- 4.土壌の養分吸収に関する研究(第2報) : リン酸二アンモニウムの濃度変化の影響(昭和46年度関西支部講演会(その2))
- 2-17 土壌の養分吸収に関する研究(その3) : 希釈効果による吸収リン酸およびアンモニウムの再溶出性について(2 土壌有機および無機成分)
- 土壌と1/100NCaCl_2溶液との平衡系におけるpHと諸イオンの溶存状態について
- 37 土壌砂の細粒化の実態予測について(関西支部講演会)
- 土壌鉱質粒子分散系におけるシルト部分のストークス径による粒度測定法
- 大阪層群海成粘土層の開削地の極強酸性発現とその対策について
- 河川底質土と汚泥焼却灰の土壌に及ぼす影響について
- 長期無施肥水田および施肥水田における土壌の窒素ならびに徹生物相の周年変動
- 異種土壌の混和がリン酸およびアンモニウムイオンの土壌吸収におよぼす影響について異種土壌の混和がリン酸およびアンモニウムイオンの土壌吸収におよぼす影響について
- 大阪中河内地区の堆積層序とその土壌
- 土壌中におけるリン酸一カルシウムの行動に関する研究(第2報) : 希薄なリン酸一カルシウムを含む土壌溶液のイオン平衡について
- 樹木の栄養と施肥に関する研究(第2報) : 造林植物の根のカチオン置換容量と究極PHの測定,特に他の植物との比較について
- 15 マサとそれらの土壌の砂の粒度分布について(関西支部講演会)