原産地を異にするタルホコムギ諸系統の日長と温度に対する成育反応
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概要
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[Author abstract]The seven strains of a wild grass, Aegilops squarrosa, were grouped into two categories according with the rate of flower initiation and development in long days: the early four strains originated in the southern habitats and the late three strains of the northern habitats. The early strains were accelerated their development by dim long days with supplemental night illumination of 30 lx as well as by bright long days with the night illumination of 500 lx. The late strains, however, did not so advance the development in the dim long days as in the bright long days. When the young plants of a late strain were subjected to supplemental night illumination (long days) they developed as fast as those of a early strain without the night illumination. This indicates some genetical relatedness between the both strains. The transition of growth form from rosett to elect form was induced and accelerated by long days in moderate temperature or by external application of gibberellin. It may be that the endogenous; gibberellinsi produced int such favourable conditions play a role in the transition. In the wild strains of Aegilops, the growth and development including the change of growth forms are controlled primarily by photoperiod and also modified by temperature. Those facts explain their adaptational growing habits in the sever local climates and also the genetical divergence of strains in the different habitats.[著者抄録]1.パキスタン、アフガニスタンおよびイランにかけて分布する野生群落から採集されたタルホコムギ 7系統について、日長と温度条件に対する成育反応を調べた。それらは実験条件で、いずれも長日、高温によって発育を促進されたが、その程度によって、南方産の早生系と北方産の晩生系に分けられる。2.長日弱光補光(約30lx)に対して、早生系は強光補光(約500lx)と同様によく反応して発育の促進がみられたが、晩生系では反応が比較的弱い。3.花芽分化は、いずれの系統も長日刺激により決定的に影響され、その後の花芽発達は長日とともに高温条件で促がされる。また、茎の伸長も長日により強く影響される。4.晩生の系統に長日補光すると、補光しない(原産地が地理的に近い)早生系の発育にひとしくなるのは、このような系統間の遺伝的関連性を示すものであろう。5.成育型は、各系統の早晩生、日長、温度条件、および発育の進行によって変化をする。一般には、早生、長日、高温および成育後期になるにしたがって、ロゼット型から直立型になる。そして晩生系統のロゼット型は長日処理や、また、外部からジベレリンを与えることにより、無処理の早生系のそれに匹敵する直立型に変化する。
- 近畿大学の論文
- 1977-03-15
著者
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