北海道における2002年春のタンチョウの繁殖
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
2002年4月から6月にかけて、北海道東部でヘリコプターとセスナ機により空からタンチョウGrus japonensisの繁殖状況を調査した。繁殖番い数は前年より26番い多い290番いで、十勝・釧路両地方で増加し根室地方では変わりなかった。繁殖域は十勝、釧路、根室、網走の4支庁管内に限られたが、その域内での分布範囲は徐々に広がる傾向がみられた。ただ、湿原面積は限られるため、繁殖番い密度は前年より高くlkm2あたり0.64番いとなったが、十勝と根室両地方の1.30〜1.55番いにたいし、釧路地方は0.47番いと地域差が大きかった。5月は679羽を目撃し、71就巣番いのほかにll6家族と150羽の雛を見つけたが、6月下旬の調査時点で雛のいる家族は71組しか発見できなかった。それでも雛の艀化期に気温が高く、雨も少なかったことから、繁殖状況は概して良好であると判断した。
- 2002-12-30
著者
-
松本 文雄
阿寒国際ツルセンター
-
正富 宏之
専修大学北海道短期大学
-
古賀 公也
阿寒国際ツルセンター
-
冨山 奈美
阿寒国際ツルセンター
-
百瀬 邦和
山階鳥類研究所
-
古賀 公也
九州大学農学部動物学教室
-
百瀬 邦和
山階鳥類研
関連論文
- 北海道東部における2003年春期のタンチョウの繁殖
- 北海道における2007年のタンチョウ繁殖状況
- 2006年の北海道におけるタンチョウの繁殖
- 2005年春の北海道におけるタンチョウの営巣
- 塘路地区における湿地の水文現象とタンチョウ
- 中国のタンチョウ越冬地「塩城自然保護区」における現状と課題
- 2008年の北海道におけるタンチョウの繁殖状況
- 2004年の北海道におけるタンチョウの繁殖状況
- 野生タンチョウGrus japonensisにおけるコクシジウム感染
- 北海道における2002年春のタンチョウの繁殖
- 北海道東部に生息するタンチョウの2001年春の繁殖状況
- ロケットネットによるタンチョウの捕獲と発信器の装着
- 2000年春の北海道東部におけるタンチョウの繁殖
- 北海道における1999年のタンチョウの繁殖活動
- 1989年の繁殖期におけるタンチョウの営巣 (山階芳麿博士追悼号)
- 長崎半島に生息するトビMilvus migrans lineatusの繁殖生態〔英文〕
- フタトゲチマダニ雌成虫における軟らかい皮膚の吸血に伴う形態変化
- トビMilvus migrans lineatusの成長と発育〔英文〕
- トビMilvus migransの育雛行動
- 学校が保有する鳥類標本の実態に関するアンケート調査
- トビ--トンビがさらった油揚げ
- 出水のツルの分散 : 国際協力へ向けて
- 1985年に北海道でマナヅルが営巣(日本初記録)
- タンチョウ(Grus japonensis)の越冬給餌場の利用