北海道東部における2003年春期のタンチョウの繁殖
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概要
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北海道東部と北部で、2003年4月から6月にかけて、ヘリコプターとセスナ機を用いタンチョウGrus japonensisの繁殖状況を調査した。繁殖域は十勝、釧路、根室、網走の4支庁管内に限られたが、非繁殖番いが道北にも定着していた。繁殖番い数は前年より17番い少ない273番いで、釧路地方で減少し、根室地方ではやや増加した。現存湿原面積を基にした繁殖番い密度はlkm^2あたり平均0.60番いであったが、根室半島地区では過去最大の2.43番いを示した。また、十勝と根室両地方の平均1.4-1.6番/km^2にたいし、釧路地方は0.40番いと地域差が大きかった。営巣番いの66%は開けた環境に巣を造ったが、25巣(観察数の9%)は樹林内であった。5月の家族数は83で、112羽の雛を目撃したが、6月調査時点の家族数割合は総繁殖番いの20.9%であった。4月から6月まで同一巣で長期抱卵したのは9番いで、再営巣番いの割合は4.0%を示した。今春は積雪が残り、営巣開始は前年よりいくぶん遅かったが、艀化・育雛初期に目立った成育阻害要因もなかったので、通常の繁殖が進行したものと思われる。
- 2003-12-30
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