ダイグラフによる役割モデル : 役割概念のフォーマライゼーションをめざして (<特集>フォーマル・セオリー)
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
役割の概念はさまざまな理論分脈で多用されてきたにもかかわらず、役割理論としての蓄積は乏しい。本稿はS. F. Nadelによる役割の内部構造に関する議論をもとに、役割概念をダイグラフによって定式化し、それによって当概念の明確化を図ることを目的とする。 まずNadelの着想にしたがい、役割の内部構造として、中枢タイプ、関連タイプ、周辺タイプという3等級が含意関係によって結合された階統構造を想定する。それをタイプを点とし、含意関係を矢とするダイグラフで表し、さらに強連結成分をなすタイプをひとまとめにする「縮約」のルールを適用して、役割を簡潔なダイグラフで定義する。それを基準として、役割ではないが役割に関連したさまざまなダイグラフを、3つに類別する。その中で役割複合に着目し、それを3つの複合パターンを識別した上で、それらの双方的な組合せから役割の内部構造変質の3パターンを一般的な水準で抽出する。
- 数理社会学会の論文
著者
関連論文
- 海野の共有地のジネンマ.モデル再考 : その妥当性と含意をめぐって
- 社会的ジレンマ・モデルの一般化 : 海野類型の拡張から
- 地域社会における意図せざる結果の処理 (意図せざる結果)
- 社会調査における複数回答の論理 : ブール代数による例解
- ロバート・D・パットナム [著]/柴内,康文[訳] 『孤独なボウリング-米国コミュニティの崩壊と再生』
- 知識調整メカニズムとしての役割 : 役割理論の課題と構図を求めて
- 三つ組みフォーマライゼーションと社会学理論 : ―古典,類型,事例―
- 社会関係資本と階層研究 : 原理問題としての機会の平等再考 ( 階層論の拡大する可能性 )
- 二次分析としてのComparative Narratives : 蜂の巣城紛争の再考(実証の姿 : その思惟と展開)
- 女性の地域移動と階層特性 : 1995年SSMデータによる分析
- 地域紛争事例のデキゴトバナシ比較分析
- ソーシャル・サポートの階層的差異について
- 『キャンベラの社会学的研究』
- ダイグラフによる役割モデル : 役割概念のフォーマライゼーションをめざして (フォーマル・セオリー)