<報告>常染色体性優性遺伝性脊髄小脳変性症(Machado-Joseph病)に認められた特異な顔貌についての生理学的解析
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
Machado-Joseph病に認められた特異な顔貌について生理学的解析を行った。これは, 片側閉眼と対側の前頭筋が収縮し, これまでの文献では不随意運動の一種と推測されている。症例は58歳男性で, 30年前に失調性歩行で発症し, 10年前に診断が確定した。神経学的には, 両側眼瞼下垂, 両眼性復視, 眼球運動障害, 構音・嚥下障害, 運動失調, 寡動, 筋萎縮, 筋力低下, 神経因性膀胱を認めた。解析には瞬目反射(BR), ビデオカメラによる運動記録(KR), 両側眼輪筋・前頭筋からの表面筋電図(sEMG)を用いた。 BRでは検出し得る異常はなく, KRでは顔面筋の随意性は保たれており, sEMGではこの顔貌と随意的片側閉眼の筋活動パターンが一致していた。これらの結果から, この顔貌は不随意運動ではなく, 眼瞼下垂と復視の随意的代償と考えられた。随意的代償運動が不随意運動に類似する例は他でも知られており, 障害評価の際には神経生理学的手法を用いた客観データを収集し解析する事が重要である。
- 茨城県立医療大学の論文
著者
-
永田 博司
茨城県立医療大学神経内科
-
小國 英一
茨城県立中央病院神経内科
-
小國 英一
茨城県立医療大学医科学センター神経内科
-
小國 英一
茨城県立医療大学付属病院
-
小國 英一
茨城県立医療大学附属病院 神経内科
-
永田 博司
茨城県立医療大学 医科学センター
-
永田 博司
同医科学センター神経内科
-
小國 英一
茨城県立医療大学付属病院第1診療科
関連論文
- 末梢神経障害の機序
- パーキンソン病患者におけるビデオを利用した腕振り運動プログラムによる歩行の改善
- 3-6-15 パーキンソン病患者における腕振り運動による歩行の改善に関する検討(パーキンソン病,口演,一般演題,リハビリテーション医学の進歩と実践,第43回日本リハビリテーション医学会学術集会)
- 実験的糖尿病モデルでの末梢神経障害時における神経栄養因子の免疫組織学的検討
- [4]随意筋力発生の基礎とその障害の病態生理に関する研究(システム神経科学の基礎と臨床応用)
- [6]随意筋力発生の基礎とその障害の病態生理に関する研究(システム神経科学の基礎と臨床応用)
- 「筋肉内注射」技術修得のためのCAI教材の試作
- Charcot-Marie-Tooth病における髄鞘Po遺伝子の解析
- 失調性ニューロパチーにおける臨床および腓腹神経の病理学的検討
- PCR-SSCP分析法を用いたCharcot-Marie-Tooth病の遺伝子異常スクリーニング
- 老年者における失調性ニューロパチーの臨床病理学的検討
- 慢性炎症性多発ニューロパチーに見られる振戦の発現機序の検討
- 目眩と頭痛のため運動療法導入が困難であった脳梗塞の1例
- 常染色体性優性遺伝性脊髄小脳変性症(Machado-Joseph病)に認められた特異な顔貌についての生理学的解析
- 脳白質病変診断に於けるMRIの有用性
- 高齢者脳卒中医療の「流れ」から(シンポジウムI「高齢者のリハビリテーション,その可能性を追求する」,日本老年看護学会第9回学術集会)
- システム神経科学の基礎と臨床応用
- 公開講座「青年の性と生」での世代間交流の可能性
- イントラネットを用いた教育資源の活用に関する研究 : 医科学センターの試み
- 側方傾斜刺激に対する端座位バランスの検討--重心位置からの解析
- 廃用ならびに放射線照射に伴うミトコンドリアDNAの損傷 : 想定宇宙環境下の微小重力と放射線暴露が生体に及ぼす基礎研究
- 側方傾斜刺激に対する端坐位バランスの検討 : 脊椎側屈角度と表面筋電図の解析
- 筋腱移行部の微細構造と筋張力 : マウス腓腹筋における電顕的検索
- 側方傾斜刺激に対する端坐位バランスの検討 : 脊椎側屈角度からの解析
- 側方傾斜刺激に対する端坐位バランスの検討 : 重心位置からの解析
- 側方傾斜刺激に対する端坐位バランスの検討
- 末梢神経障害による運動失調 (特集 運動失調)
- システム神経科学の基礎と臨床応用
- 腹壁筋の誘発筋電図
- 紀要論文に於ける「被験者」という用語について(Letter to the Editor)
- 側方傾斜刺激に対する端座位バランスの検討 : 重心位置からの解析
- 歩行・トイレ自立の可否について回復期脳卒中患者の帰結予測 : Functional Reach(FR)を用いた予測方法の検討
- 電子顕微鏡による神経細胞とシナプスに関する超微形態学的研究 : 画像解析装置によるその定量化(脳障害の発症機構と病態に関する基礎的研究)
- 老化やヒトの病態に関わるミトコンドリアDNAの変異(脳障害の発症機構と病態に関する基礎的研究)
- トラッキング装置2号機の開発(脳障害の発症機構と病態に関する基礎研究)
- 慢性脳低潅流実験モデルにおける脳組織障害に関する総合的研究(脳障害の発症機構と病態に関する基礎的研究)
- 実験的糖尿病および虚血再灌流負荷における神経組織でのフリーラジカルの影響(脳障害の発症機構と病態に関する基礎的研究)
- 脳障害の発症機構と病態に関する基礎的研究
- 神経損傷部位と症候発現機序に関する研究(神経科学からリハビリテーションへのアプローチ)
- 瞬目反射の脳幹内経路に関する研究-ネコにおける反射の再現性について-(脳障害の発症機構と病態に関する基礎研究)
- 多関節運動軌道追跡法を用いた上肢運動障害に関する研究
- 随意筋力発生の基礎とその障害の病態生理に関する研究
- 神経損傷部位と症候発現機序に関する研究(神経科学からリハビリテーションへのアプローチ)
- システム神経科学の基礎と臨床応用
- 脳虚血実験モデルにおける活性酸素と脳血管・神経組織に関する研究(神経科学からリハビリテーションへのアプローチ)
- 脳虚血実験モデルにおける活性酸素と脳血管・神経組織に関する研究(神経科学からリハビリテーションへのアプローチ)
- 脳虚血実験モデルにおける活性酸素と脳血管・神経組織に関する研究(神経科学からリハビリテーションへのアプローチ)
- 到達度測定における客観式評価法の有用性と効果に関する研究(医療専門教育課程の現状分析と改善に関する総合的研究)
- 脳障害の発症機構と病態に関する基礎的研究