Level Crossing 法による GI/G/1 待ち行列モデルの解析
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概要
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現代生活においては, ある限られた資源を共有するという状況は頻繁に発生する。そしてその際, 各利用者には自分が資源を利用できるまでの待ち時間を出来るだけ短くしたいという要求がある。銀行のATM機を例に挙げると, 以前はATM機毎に個別に客の行列が出来る, 単一処理装置+単一待ち行列を構成単位とするシステムが複数並列するものであったが, 複数処理装置+単一待ち行列というフォーク型のシステムに変化してきたことは, 誰しも思い当たることであろう。様々な待ち行列システムの中で最も一般的なGI/G/1待ち行列モデルは, 利用者のシステム到着間隔が独立でかつ同一の一般分布に従う到着過程, 処理時間分布が一般分布, 単一処理装置という構成単位を持っている。この中でも, 利用者の到着過程がポアソン分布に従うM/G/1待ち行列モデルについては, 任意時刻における系内利用者数の母関数を解析することで, 細かい部分まで既に解明されている。しかし, 本来待ち行列システムを解析する大きな目的となっている, 待ち時間分布を求めるには, 母関数による解法は間接的であり, その理解が難しいものとなっている。そこで, 本稿では, 系内に存在する残余仕事量に着目しLevel Crossing法を導入することで, より直感的にGI/G/1待ち行列モデルにおける待ち時間分布を求め, この手法の有効性を論議する。
- 富山県立大学の論文
- 2002-03-29
著者
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