乾田直播水稲の出芽および種もみのジベレリン処理による出芽促進効果におよぼす土壌水分の影響(園芸農学)

概要

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第1実験 : 本実験結果および第2実験の水浸したものについての結果から, 乾田に深播きされた水稲(覆土の厚さはそれぞれ7cmおよび6cm)の諸器官の伸長および出芽と土壌の含水量との関係を, 覆土が3cmの場合と比較検討した。土壌の含水量が含水比で15%以下の場合は, 覆土の厚さに関係なく, 発芽さえしなかった。覆土の厚さが3cmの時は, 土壌の含水比が約20∿48%の範囲内では, 土壌水分が多い方が発芽および諸器官の伸長ともに順調であり, 出芽の斉一化上望ましい。しかし, 含水比が64%以上(飽和または湛水)になると, 中茎はわずかに伸長し, その他の器官では鞘葉のみが伸長したがきわめて繊弱であり実験期間中には全く出芽しなかった。覆土の厚さが7cmの時は, 土壌の含水比が20∿37%の範囲内では, 含水量が増加するにつれて諸器官の伸長速度が速く, 出芽速度が速かった。しかし, 播種後15∿16日目の出芽率にはほとんど差が認められなかった。含水比が48%になると, 諸器官の伸長が抑制され, 出芽率が著しく低下した。含水比が64%以上になると鞘葉のみが伸長したがきわめて弱々しく, 実験期間中には全く出芽しなかった。第2実験 : 種もみのジベレリン処理による乾田深播水稲(覆土の厚さ6cm)の出芽促進効果と土壌の含水量との関係を検討した。土壌の含水量が含水比で15%の時は水浸したものは発芽さえしなかったが, ジベレリン処理したものは播種後14日目には, 幼芽長は0.7∿0.8cmに伸長していた。含水比が22∿37%の範囲内では, ジベレリン処理による諸器官の初期における伸長の増大効果は, 含水量が少ないほど大きかった。その結果, 出芽促進効果は土壌の含水量が少ない場合に大きかった。しかし, 諸器官の最終長は土壌の含水量が多いほど長く, したがって播種後14日目の出芽率は含水量が多いほど高かった。湛水状態下では鞘葉だけが伸長していたがきわめて弱々しく, 播種後14日目の長さはジベレリン処理の有無に関係なく2.4cmであった。
神戸大学の論文

乾田直播水稲の出芽および種もみのジベレリン処理による出芽促進効果におよぼす土壌水分の影響(園芸農学)

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