覆土の土塊の大きさが乾田直播水稲の出芽に及ぼす影響

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水稲農林23号を用いて, 覆土の土塊の大きさが, 乾田に深播き(覆土7cm)された個体の出芽ならびに幼苗諸器官の長さに及ぼす影響について, 覆土が3cmの場合と比較しながら検討した。乾田に播種された種子が大きい土塊で覆土されると, 覆土が3cmの場合には鞘葉の伸長が抑制される。しかし, 不完全葉はほとんどの個体で3cm以上に伸長する。また大土塊の間隙が小土塊で充足された場合は, 鞘葉および不完全葉ともに, 大土塊だけの場合よりも長くなる。その結果, すべての区の出芽率は, 播種後12日目には90%以上に達する。覆土が7cmの場合には, 覆土の土塊が大きくても, 鞘葉および不完全葉は覆土が3cmの場合よりも著しく長くなる。その結果, 第1本葉が不完全葉から抽出する位置が高められる。しかし, 鞘葉および不完全葉の伸長のみによっては出芽することはできず, 出芽するためには, 第2節間および第1本葉が伸長しなければならない。覆土の土塊が大きい場合には, 第2節間の伸長が抑制される。と同時に, 出芽までの間に幼芽の伸長を妨げる土塊の数も多くなるので, 出芽率は著しく低下する。しかし, 大土塊の間隙が小さい土塊によって充足されると, 第2節間が著しく長くなり, 第1本葉をおしあげる。その結果, 出芽率は単一土塊の場合に比べて著しく高まる。以上の結果と土壌中への光の侵入量との関係について, 若干考察した。
神戸大学の論文

覆土の土塊の大きさが乾田直播水稲の出芽に及ぼす影響

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