日本の音楽教育に於ける身体表現のあり方 : 明治期の唱歌遊戯を中心として,舞踊と音楽の関係についての理論
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概要
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音楽教育において,「身体表現」はリズム教育の効果的方法として,欠かすことのできない重要なものであると考えられている。小学校学習指導要領の表現の項目には「拍の流れやフレーズを感じ取って,演奏したり身体表現したりすること」(1- 4学年),「拍の流れやフレーズを感じ取って,強弱や速度の変化に応じた演奏をしたり,身体表現をしたりすること」(5,6学年)とうたわれている。また1,2学年の鑑賞の項目においても,教材は「日常の活動や経験に関連して親しみやすく,身体反応の快さを感じ取ることができる楽曲」とある(小学校学習指導要領,傍点筆者)。しかし,現在の音楽教育では,このような身体表現が十分生かされているとはいえず,教材や指導点の点で検討を要する点が少なくない。その原因の一つは,明治の唱歌遊戯以来,20世紀のダルクローズ,オルフに至るまで,日本のリズム教育が外来のものを拠りどころとしたことにある。本稿は,明治後期の唱歌遊戯の特質と問題点をさぐり,また,冒本のわらべ歌のリズム,日本舞踊の表現にも目を向けた上で,舞踊と音楽の関係について美学的,民族音楽学的考察を加えたものである。
- 弘前大学の論文
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