縄文時代の土笛 :形状・音・用途
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
土笛としてここで検討するのは,縄文時代後期から晩期のものとして出土したものである。筆者が調査することができた数点のものについて概観し,細部に亙っての検討は青森市細越の土笛と,北海道の向有珠の土笛を中心にして行った。形状を考察し,楽器と仮定し,実際に奏してその昔高・音色から,その仮定が妥当であるか検討した。すべてが中空・2孔であり音を作り得,その有休構造は意図的である。楽器としての証左となる類似の楽器と比較し,現に楽器として用いられているアフリカ等の土笛との形態上の類似性から,楽器であった可能性が高いことを実証した。実際に粘土を用い製作を試み,成形の方法を探り,模様を考察し,製作過程を通して膚で感じた縄文時代の製作者の心理に迫りつつ,造形として・音響として,美術・音楽の観点から解釈を試みたものである。
- 弘前大学の論文
著者
関連論文
- 作曲指導 : 小学校における指導計画と実践
- 縄文時代の土笛 :形状・音・用途
- 詩的風景芸術論序説 : 風景の奥に潜むものに就いての一考察
- 彫刻の原理
- 空間と存在と時間と : 彫刻に関するその随想的試論
- 彫塑学習の特質とその内容
- 彫刻表現様相に於ける寡黙性と饒舌性の構造 : 若林奮の作品を通して
- 家庭の教育機能--幼児の人格形成におけるその役割
- 小学校音楽教育に於ける新しい音素材による創造 : 手作り楽器の実践を中心として
- わらべ歌と性教育
- Philosophy of Music by Mo Ti : Against Music
- 明治期の和徳小学校の唱歌教育
- 盲目の巫女イタコの巫業における音楽的効力
- 日本の音楽教育に対するL.W.メーソンと伊沢修二の功罪
- 民俗芸能・民謡研究の目的と方法 : 竹内翠泉の『俗謡研究の趣味』をめぐって
- 民俗区芸能の教材化と実践の諸問題
- 日本の音楽教育に於ける身体表現のあり方 : 明治期の唱歌遊戯を中心として,舞踊と音楽の関係についての理論
- 地方に於ける洋楽の普及 : 明治期の弘前市における唱歌教育
- ヴァイオリン奏法の確立と展開 : 18世紀のヴァイオリン指導者と現代音楽(20世紀音楽)に関して
- 儀礼と音楽 : 青森県の民族芸能・民謡を中心として
- イタコの経文《神寄せ》の原典と変形 : 口頭伝承に於ける変化
- 竹内翠泉の『俗謡研究の趣味』 : 倫理教育として俗謡
- 民族音楽に於ける聴衆
- SHIGIN : Problem of Transcription and its Melodic Form
- Impact of Far East Music on American Music