オーバープレッシャー気球の自動ガス圧コントロール

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長時間観測気球システムの実現は宇宙観測用気球にとって重要な課題である。最近, ゼロプレッシャー気球用のポリエチレンフイルムの性能は著しく向上したため, 気球が壊れない程度の内圧をかけて, バラストを節約する考えがSimpsonによって提案された。このタイプの気球をオーバープレッシャー気球という。オーバープレッシャー気球ではスーパープレッシャー気球ほど内圧をかけていないので, 若干のバラスト投下が必要になるが, バラストの投下が少なくてすむ高緯度地方ではかなりの有効性が期待できる。問題は, 適切なガス内圧を保つためのガス圧コントロールシステムである。NASAでは, 独自のガス圧コントロールシステムを開発し実験を行っている。NASAの方式は気球の内圧を測定し気球頭部に取り付けた排気弁をコントロールするシステムであり, 機構はかなり複雑である。長時間観測に用いる機構では複雑なものはできれば避けた方が好ましい。我々はゼロプレッシャー気球の排気口にマグネットを取り付け, その吸引力を利用したガス圧自動コントロールを行う方法を検討し実験室で性能試験を行った。この方法では排気口に取り付けるマグネットの強度選択および取り付けの配置によって, 任意の圧力に気球内ガス圧を自動コントロールできる可能性を示す。
宇宙航空研究開発機構の論文

オーバープレッシャー気球の自動ガス圧コントロール

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