石灰質砂と鋼材の摩擦特性に及ぼす水分の影響

概要

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乾燥状態および湿潤状態の石灰質砂について鋼材との摩擦試験を実施した。その結果, 摩擦特性は乾燥砂と湿潤砂では異なることが分かった。得られた主な結果を豊浦標準砂および国頭マージの結果と併せて以下に示す。(1) 乾燥土および無極性の四塩化炭素で浸した土の摩擦係数は各試験(σ_c=0.1∿0.7MPa)でばらつき, 石灰質砂の摩擦係数は相対湿度の上昇に伴い増加する。(2) 乾燥した石灰質砂の大変形時の摩擦係数は大きな値を示す。その原因は, せん断変位の増加に伴い砂と鋼材表面吸着膜の摩擦現象から砂と実鋼材表面の摩擦現象に移行するためだと推察される。(3) 湿潤状態の豊浦標準砂では, スティック・スリップ現象が確認された。(4) 湿潤状態の国頭マージの摩擦係数は, 乾燥状態の摩擦係数に比べ小さい値を示す。(5) 湿潤土におけるせん断応力と垂直応力の関係はクーロンの摩擦則に従う。(6) 土と鋼材の摩擦に関する研究においては, 水分の影響を考慮する必要がある。
琉球大学の論文
2001-12-01