南極オキアミ漁で混獲された魚類について II. ツブマトウダイ Xenocyttus nemotoi ABE および,ふたたび,カラスコオリウオ Neopagetopsis ionah NYBELINについて(英文)
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概要
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ツブマトウダイ(Xenocyttus nemotoi ABE)は, 1957年マッコウクジラの胃袋から得られた唯一の標本に基づいて命名発表されたが, その後, ソ連の学者による報告があり, 他方最近になって, オキアミ漁に混獲されるものが相当数見られた。それらのうち魚学および食品化学研究用に標本29個体を採集し, 他方深海トロールで得られた1尾の写真を入手した。本種の生活史, 分布等については不明な点が多いが, 上記の資料について記し, また最近の他の研究者による知見を紹介する。肉の一般成分分析は3個体について実施し, 水分84.2%, 粗タンパク質9.6%, 粗脂肪3.8%, 灰分1.1%(いずれも平均値)の結果を得た。また筋肉と体全体を包むように存在する硬い皮下組織層の熱伝導度を測定, 比較したところ, 両者には明らかに差は認められたが, その違いは大きいものではなかった。次に, カラスコオリウオ(Neopagetopsis ionah NYBELIN)については, 前報作製の際, 見落したソ連の文献がいくつかあり, その後出た報告もある。追加標本も日本のオキアミ調査の際にかなり多数得られたし, オキアミ漁と直接関係はないが, ロス海のトロールで6個体(標準体長165∿435mm)をも入手したので, これらについて簡単に報告する。なおオキアミ漁の際, カラスコオリウオはツブマトウダイより数多く見られることが確かめられた。また, カラスコオリウオの鰓条骨数は8または9であるが, 前報で述べたように, 9の場合の方がやはり多く, 9個ある場合には最下のものが発達不十分で, 末端は鰓条膜辺縁に到達しない場合が多いことを知った。
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