南極大陸Victoria Valley system の氷蝕谷の形態解析と谷底堆積物の厚さの推定(英文)
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概要
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南極大陸ビクトリア谷系に分布している氷蝕谷の横断形態を, モデル式Z=aX^bを使って解析した。この式で, XとZはそれぞれ谷底中央からの水平距離と高さの座標値で, 1970年に撮影された1 : 60000の空中写真から, 写真測量によって求められた。係数aと指数bは最小2乗法によって決められる。13ヵ所の断面の解析の結果得られた指数bの値は, 1以下から5以上までと幅広く, 値がほぼ2に近いヨーロッパや北アメリカでの結果と異なっている。以上のことから, 指数が1.5∿2.0前後の断面と, それ以外の値をもつ断面とでは, 形態が非常に異なっていることが判明した。その解釈として2つの説明, 1)氷蝕の違い, 2)塩風化による斜面発達の過程の違い, が考えられた。谷底堆積物の厚さの推定が行われた。これはモデル式を谷底に外挿して岩床の高度を推定し, 地表面との高度差を算出して得られた。直接検証するデータは無いが, 間接的な方法では, これらの推定値が妥当な範囲にあることが判明した。
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