東南極みずほ高原における屈折法および広角反射法地震探査-観測概要(第43次夏隊報告)-
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概要
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第43次日本南極地域観測隊夏隊(JARE-43)では,東南極みずほ高原において,JARE-41に引き続き,みずほ高原下の地殻の速度構造を明らかにするため,屈折法および広角反射法地震探査を実施した.探査測線は,みずほルート上のH176地点を起点に北北東方向に101 km,南南西方向に50 kmの測線長約151 kmであり,JARE-41の探査測線と斜交している.この測線上に161台の地震観測点を配置し,7カ所で薬量700 kg程度の大発破,1カ所で薬量20 kgの小発破を行った.大発破点からの距離が100 km以下では,明瞭な初動が観測された.また,氷床中を伝播して来た波,分散波および地殻深部(コンラッド面とモホ面)からの反射波と推定される後続波も観測された.発破点近傍の観測で得られた初動走時から,氷床が厚さ36-45 mでみかけ速度2.7-2.9 km/sの上部層とみかけ速度3.7-3.9 km/sの下部層から成り立つことが推定された.測線全体の初動走時からは,氷床直下の基盤層(岩盤)のみかけ速度が,測線の北部では5.9 km/s,中央部〜南部では6.1-6.2 km/sとなり,基盤層の速度差が示唆された.本報告は,実験の概要と得られたデータについて述べる.
- 国立極地研究所の論文
著者
-
宮町 宏樹
鹿児島大学大学院理工学研究科地球環境科学専攻
-
渡邉 篤志
東大・地震研
-
戸田 茂
愛知教育大学
-
松島 健
九州大学大学院理学研究院地震火山観測センター
-
渡邉 篤志
東京大学地震研究所
-
松島 健
九州大・理
-
戸田 茂
愛知教育大学教育学部地学教室
-
山下 幹也
総合研究大学院大学極域科学専攻
-
高田 真秀
北海道大学大学院理学研究科附属地震火山研究観測センター
-
渡邉 篤志
九州大学大学院理学府地球惑星科学専攻
-
神谷 大輔
白山工業株式会社
-
高橋 康博
北海道日本油脂株式会社技術開発部
-
柳澤 盛雄
国立極地研究所
-
渡邉 篤志
九大理院
-
松島 健
九大理
-
Mikada Hitoshi
Dep. Of Civil And Earth Resources Engineering Kyoto Univ. Kyoto Jpn
-
松島 健
九州大学大学院
-
松島 健
九大 地震火山観測研究セ
-
神谷 大輔
白山工業株式会社開発部
-
渡邊 篤志
Earthquake Research Institute, University of Tokyo
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