パティス発酵中のペプチド・アミノ酸の変化(魚醤に関する研究(第3報))
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概要
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以上,フィリピン国内で採取したパティスを試料に,含有する蛋白加水分解物を検討した結果,次の点が明らかになった。(1)熟成1ケ月目のパティスのゲル濾過クロマトグラムには,5つのピークが存在し,熟成に伴い低分子側に移動した。(2)熟成1ケ月目のパティスには,必須アミノ酸を含む16種の遊離アミノ酸が認められた。(3)熟成1ケ月目のパティスの遊離アミノ酸量は,熟成1ケ月目のニョクマムの約2.5倍で,熟成の進行が速かだった。(4)熟成に伴い,アミノ酸量が増加し,1ケ月目から3ケ月目にかけて,グルタミン酸,アスパラギン酸,グリシン,イソロイシンが著しく増加した。(5)熟成7ケ月目のパティスは,熟成9ケ月目のニョクマムに比べ,グルタミン酸,リジン,ロイシンが多く,アラニン,バリンの量が少なかった。これらのアミノ酸によりパティス特有の味が形成されているものと考えられた。
- 2000-03-31
著者
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