京都市淀における合成性フェロモン剤によるネギ害虫シロイチモジヨトウの防除(農学部門)
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概要
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1994年6月から12月まで, 京都市伏見区淀の露地ネギ圃場(約2.8ha)で, 合成性フェロモン剤を用いたシロイチモジヨトウSpodoptera exiguaの防除試験をおこなった。発生予察用フェロモントラップの調査では処理区での捕獲雄成虫数が対照区(無処理区)のそれより常に低かったこと, 2回のつなぎ雌法による交尾率も処理区のほうが有意に低かったことから, フェロモン剤による交信攪乱効果は設置期間を通してみられた。しかし, ネギの被害株率はフェロモン剤を設置した6月から9月までは処理区において対照区より低かったものの, 10月以降は対照区と差がみられないか, むしろ高い時もあった。このことから, 夏季にはフェロモン剤の効果が認められたが, 密度が高くなる秋季にはその効果が低下した。これは既交尾雌成虫や幼虫の周囲から処理区内への飛び込みや移動が起こったため, また被害幼苗の処理区への移植持ち込みのためと思われる。一方, 誘蛾灯における成虫の捕獲数は8月には少なく, 9月に急に多くなり, 10月に最も多かった。このことから, 本種の成虫の移動性は秋季に高くなることも示唆された。
- 1995-11-30
著者
-
吉安 裕
京府大院・応用昆虫
-
吉安 裕
京都府立大学大学院農学研究科応用昆虫学研究室
-
片山 順
京都府農林水産部
-
片山 順
京都府 農林水産部
-
山岸 慎
京都府立大学農学部応用昆虫学研究室
-
小宅 貴美子
京都乙訓農業改良普及センター
-
吉安 裕
京都府立大学大学院生命環境科学研究科
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