深耕多肥密植栽培における水稲群落の微細気象と productive structure(農学部門)

概要

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栽植密度, 耕深および施肥量の相違により, 水稲群落における微細気象とproductive structure(生産構造)がどのように変化するかを検討するために, 1961年に中生新千本を用いて実験を行なつた。主な結果は次のとおりである。1)個体の生育経過はすでに報告されているものと傾向を一にする。すなわち, 密植にするほど草丈は低く, 一株当たり茎数は少ない。さらに最高分げつ期, 出穂期に達するのが早い。一方, 深耕条件では有効茎歩合が高く, 根は深い部分にまで分布する。2)深耕多肥密植条件下の水稲群落内の微細気象は概して高温多湿である。3)深耕多肥密植栽培における水稲群落のproductive structureは, 標準栽培のそれと比較して次のような特徴を示す。すなわち, 全乾物重は増加し, また非同化部分にくらべて同化部分の量はやや多いが, 同化部分のうちでは下位における発育が乏しく, その光合成機能は上位葉に依存する体制にある。これは主に植物の相互遮蔽に影響される受光条件の差異によるものと考えられる。4)深耕多肥密植栽培では標準栽培より一穂当たり粒数が少なく, 不稔歩合が高く, 単位面積当たりの収量も少なかつたが, これは成熟期における台風・日照不足などの気象の悪条件によるものと思われる。
京都府立大学の論文
1963-09-01

深耕多肥密植栽培における水稲群落の微細気象と productive structure(農学部門)

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