萬葉集 : 一首中に表れる異なる訓みをしている同じ漢字の研究 (七)
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概要
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萬葉集はいうまでもなく漢字を借りて表現した和歌集である。本稿においては巻十の後半部分と、巻十一の四百九十首の中から、一首の歌中に、同じ漢字が二回以上使われ、それに異なる訓みを附訓している漢字を選り出して、記載者の記載意識などを研究しているところである。 今回は、(十・2210)=(黄葉(モミチバ)・葉(ハ))・(十・2218)=(不(ヌ)・不(ズ))・(十・2254)=(有(タル)・有(アラ))・(十・2255)=(吾(ワガ)・吾(アレ))・(十・2275)=(出(イデ)・出(デ))・(十・2290)=(不怜(サブシ)・不(ネ))・(十・2300)=(九月(ナガツキ)・月夜(ツクヨ))・(十・2328)=(有(アラ)・有(ナル))・(十一・2369)=(所寐(ヌル)・寐(ネ))・(十一・2373)=(何時(イツ)・時(トキ))・(十一・2382)=(人(ヒト)・一人(ヒトリ))・(十一・2385)=(戀(コフル)・戀(コヒ))・(十一・2393)=(有(アラ)・此有(カカル))・(十一・2406)=(有(ル)・有(アラ))・(十一・2414)=(不得(カネ)・不(ズ))・(十一・2415)=(等(ラ)・吾等(アレ))・(十一・2444)=(石邊山(イソヘノヤマ)・常石(トキハ))・(十一・2506)=(夕占(ユフケ)・占(ウラ))・(十一・2514)=(留(トドマラ)・留(トドメ))・(十一・2518)=(吾(ワギ)・吾(ワレ))・(十一・2529)=(往来(カヨヘ)・来(コ))・(十一・2554)=(対面(アヒミテ)・面(オモ))・(十一・2575)=(希将見(メヅラシキ)・見(ミ))・(十一・2589)=(思(オモハ)・良思(ラシ))・(十一・2609)=(我(ワギ)・我(ガ))・(十一・2624)=(深染(コソメ)・深(フカク))・(深染(コソメ)・染(シミ))・(十一・2664)=(暮月夜(ユフヅクヨ)・闇夜(ヤミ))・(十一・2747)=(水手(コグ)・手師(テシ))・(十一・2830)=(梓弓(アヅサユミ)・弓束(ユヅカ)) 以上の三十例について、検討吟味した。
- 2003-03-06
著者
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