<資料>昭和20年代の出産体験者の語る初経から更年期まで : 宮崎県A町在住者に聞く
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概要
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出産がまだ医療化される前の環境にあった女性たちの「初経から更年期まで」の状況を明らかにするために, ひとりずつの生活の体験を通して聞き取り調査を行った。対象は現在70歳代の宮崎県A町に在住する女性たちで, 主に昭和20年代に自宅での出産を体験した女性である。10名に訪問調査を依頼して, その内8名から有効な回答を得た。初経から更年期までの身体の変化に対する受けとめ方や対応は, 基本的には自分の健康は自分で守るという姿勢があることと, 先人からの教えやその時々の自己の身体感覚に従順に対応してきていることが分かった。妊娠中には日常の仕事上の必要性から考えて腹帯をした女性や, 分娩時に自分で考えて立膝や四つんばいの姿勢をとった女性たちの体験から妊娠・分娩の生理を考える上で大きな示唆を得た。また対象者たちの更年期は概して「何ともないもの」であり, 共に生活をしている周囲の者からの教えや, 精神的な支えも重要な役割を果たしていることが伺えた。8例のデータではあるが, 女性の身体のもつ本質的な機能や対応能力について考えるための重要な示唆を得ることができた。
著者
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川原 瑞代
宮崎県立看護大学
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菅沼 ひろ子
宮崎県立看護大学
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串間 秀子
宮崎県立看護大学
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若松 由佳子
宮崎県立看護大学
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渡辺 久美
宮崎県立看護大学
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宮里 和子
北里大学看護学部
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串間 秀子
宮崎県看護協会
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