<原著>救急外来を受診する患者家族の心理的状況に関する研究 : 1 次,2 次救急で受診した患者の家族へのインタビューから
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
本研究は,比較的軽症の1次2次救急患者の家族の心理的状況を明らかにし,1次2次救急における家族ケアのあり方について考えることを目的とした。対象となった家族は8名であり,インタビューの結果をKJ法の技法を用いて分析し,考察した。1) 家族の心理的状況は【不安】【驚き】【後悔】【重症視】【情報の不足】の5つに分けられた。2) 家族の中には患者の病気が発症したことの責任が自分にあるといった,【後悔】をしていることもある。3) 医学的知識を持たない人にとっては,たとえ医学的に軽症であったとしても,自分の判断や知識,過去の経験等で【重症視】してしまうこともあり,中には【死】への恐怖を感じている人もいる。医療スタッフと家族の重症感・緊急感にはずれがある。4) 【情報の不足】により家族は【重症視】してしまったり,不安を増強させられたりしている。特に[伝え聞き]の情報しか持たない家族には早めに正しい情報の提供が必要である。5) 救急外来を受診した,1次,2次救急患者の家族は医療スタッフが考える以上に患者の状態に対して敏感であり,危機感を抱いている。医療スタッフは「ふつうの人」の感覚で家族や患者と接することが必要である。
著者
関連論文
- 精神的ケアに対する一般看護師の感情とケアへの不安--精神科経験による差異
- 救急外来を受診する患者家族の心理的状況に関する研究 : 1 次,2 次救急で受診した患者の家族へのインタビューから
- 保健医療情報の利用促進に関する研究 : 2. 国保安定化を目的とした国保データの検討
- 保健所における精神障害者のデイケア利用について : 防府環境保健所デイケア活動を通して
- 救急外来における家族への危機介入 : Aguilera & Messick の危機理論による 2 事例の比較
- 看護婦のアセスメント記述に関わる実態と課題 : POR による経過記録の調査を通して
- 救急外来における看護婦と患者家族の相互作用 : 看護婦の陥りやすい傾向を探る
- 痴呆性高齢者を抱える家族の医療・福祉に対する満足度に関する研究
- 身体拘束に対する看護者の意識と経験
- 医療施設における抑制実施の状況および意識について : 精神科と一般科の比較
- 地域精神保健活動が精神障害者の生活に及ぼす影響