抗真菌薬の使用状況調査による真菌感染症アウトブレイクの早期予測に関する研究
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概要
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国立病院機構鹿児島医療センター(以下,当院)の血液内科病棟(50床)で,臨床的に診断された真菌感染症患者数の増加及び注射用抗真菌薬使用量の増加があった.当時,抗真菌薬を除いた抗菌薬使用量モニタリングを行っており,その事実を早期に把握することができなかった.そこで,後方視的に2007年1月からの注射用抗真菌薬の使用量をチェックし,使用量モニタリングにより発生数増加がごく初期に予測可能か検討した.2007年1月から2009年12月に使用された注射用抗真菌薬の月別Antimicrobial Usage Density(以下,AUD)及び週別AUDについて調査した.月別AUDでは2008年8月より上昇し始め,最も高かった11月には平均の3倍程度を示しており,平均+2 SD値を上回っていた.半年毎のAUDの平均値を比較したところ,有意に増加していることが分かった.週別AUDでは2008年8月第1週より数値上昇の兆しがみられ,その後急上昇していた.当院では2008年7月17日に当該病棟の空調機のフィルター,ファンコイル,排気口の掃除が行われており,真菌感染症特にアスペルギルス症患者の増加の理由と考えられたが断定はできなかった.しかし,AUDモニタリングすることにより真菌感染症アウトブレイクの早期予測ができる可能性が示唆された.
- 日本環境感染学会の論文
- 2011-09-26
著者
-
吉永 正夫
鹿児島医療センター小児科
-
吉満 桂子
国立病院機構鹿児島医療センター
-
吉永 正夫
国立病院機構九州循環器病センター小児科
-
花田 修一
国立病院機構鹿児島医療センター内科
-
花田 修一
鹿児島医療センター血液内科
-
谷口 潤
国立病院機構鹿児島医療センター 感染制御チーム
-
吉満 桂子
国立病院機構鹿児島医療センター 看護部
-
谷口 潤
国立病院機構鹿児島医療センター 感染制御チーム
-
花田 修一
国立病院機構鹿児島医療センター 血液内科
-
谷口 潤
国立病院機構嬉野医療センター
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