Clostridium difficile 感染症に対する経口 Vancomycin の至適投与量に関する臨床的および医療経済的効果
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概要
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経口vancomycin(VCM)はClostridium difficile感染症(CDI)に使用されるが,その投与量の設定には4倍もの差がある.これまでの報告により0.5 g/日の投与量で充分とされているが,当院においては2.0 g/日の投与量が主流であったため,感染制御部にて経口VCMの投与量の適正化を目的として,低用量である0.5 g/日を推奨した.本研究では経口VCMの低用量投与の推奨がCDI治療に及ぼした臨床的および経済的効果の検討を行った.調査期間は感染制御部による推奨を開始した前後1年間(2008年4月〜2010年3月)とした.対象患者はCDIと診断例もしくは疑い例の102例とし,重症度の判定も併せて行った.調査項目は下痢症状改善までの日数,CDI再発率,経口VCMの使用密度(AUD)および薬剤費とした. 低用量VCM投与の推奨前後での下痢症状改善日数および再発率に有意な差は認められなかった.また,経口VCMのAUDは48%低下し,一症例あたりの薬剤費は68%減少した.今回の検討の結果,感染制御部による経口VCMの低用量投与の推奨により,CDI治療における臨床効果に差が認められなかったことおよび医療費が抑制されたことが示された.
- 2011-05-25
著者
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金子 亜希子
東京医科大学病院 薬剤部
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犬伏 厚夫
東京医科大学病院 薬剤部
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中村 造
東京医科大学病院 感染制御部
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松本 哲哉
東京医科大学微生物学講座
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松本 哲哉
東京医科大学附属病院 薬剤部
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明石 貴雄
東京医科大学附属病院 薬剤部
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明石 貴雄
東京医科大学病院
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明石 貴雄
東京医科大学八王子医療センター薬剤部
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明石 貴雄
東京医科大学八王子医療センター 薬剤部
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明石 貴雄
東京医科大学病院 薬剤部
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中村 造
東京医科大学附属病院 薬剤部
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明石 貴雄
東京薬科大学 薬学部 病原微生物学 教室
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松本 哲哉
東京医科大学 微生物学講座
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友田 由香子
東京医科大学病院薬剤部
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犬伏 厚夫
東京医科大学病院薬剤部
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添田 博
東京医科大学病院薬剤部:東京医科大学病院感染制御部
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金子 亜希子
東京医科大学病院薬剤部
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添田 博
東京医科大学病院 薬剤部
-
友田 由香子
東京医科大学病院 薬剤部
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金子 亜希子
東京医科大学病院 薬剤部
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犬伏 厚夫
東京医科大学病院 薬剤部
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中村 造
東京医科大学病院 感染制御部
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