北里大学病院皮膚科の頭部脈管肉腫治療方針と治療評価
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概要
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1987年より2008年までの21年間に当科で治療した脈管肉腫は71例で,頭部例は60例あった。頭部例でフォローアップし得た55例の治療方針と治療結果について報告する。2000年までの19例については免疫療法で,2001年以降の36例は当科の病期別治療指針で治療した。治療指針の基本方針は十分な電子線照射と再発予防のためのタキソイド系抗腫瘍剤による継続全身化学療法の併用である。電子線は症例ごとの適性出力で広範囲内に,1回2.5Gy,総量70Gy以上照射した。タキソイド系抗腫瘍剤はドセタキセル40mg,またはパクリタキセル80mgのweekly療法を基本とし,最低6ヵ月間継続した。治療成績をKaplan−Meier法による3年生存率で比較すると,免疫療法中心の19例が16%であったのに対して,病期別治療指針による36例は42%と顕著に改善した。現在,予後の改善のために,最多死因である肺転移病巣に対して胸腔内化学療法を試みている。
- 日本皮膚悪性腫瘍学会の論文
- 2010-02-18
著者
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