腎静脈血栓症を繰り返す小児膜性腎症の1例
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概要
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症例は11歳,男子。基礎疾患はなく,腎静脈血栓症の合併を契機に,膜性腎症と診断された。血栓溶解療法のみでは腎静脈血栓症の再燃を繰り返したため,ネフローゼ症候群の治療としてステロイド剤,免疫抑制剤を併用し,症状が寛解した。 シクロスポリン投与中はネフローゼ症候群も寛解維持でき,血栓再燃もみられなかったが,シクロスポリン投与2年後の腎病理像では基底膜の肥厚の進行,足細胞下のElectron Dense Depositの増加があり膜性腎症StageIIからIIIへの進行がみられた。肝炎ウィルスをはじめ感染症スクリーニングは陰性,抗核抗体ならびに抗DNA抗体も陰性であり,現在のところ特発性膜性腎症と診断している。しかし,全身性エリテマトーデスなど自己免疫疾患については腎症を発症してしばらくしてから腎外症状が揃い確定診断に至る例の報告もあり,今後も念頭において慎重にフォローアップしていく必要があると考える。
- 2009-11-15
著者
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重松 秀一
信州大学医学部病理組織
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重松 秀一
信州大医病理
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重松 秀一
信州大学 医学部病理学教室
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重松 秀一
信州大学 病理
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永田 智子
大垣市民病院 小児科
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近藤 富雄
大垣市民病院・小児科
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岩田 晶子
大垣市民病院小児科
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鹿野 博明
大垣市民病院小児科
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近藤 富雄
大垣市民病院 小児科
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都間 佑介
大垣市民病院小児科
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伊藤 貴美子
大垣市民病院小児科
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鹿野 博明
大垣市民病院 小児科
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山本 崇裕
大垣市民病院小児科
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中嶋 義記
大垣市民病院 小児科
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中嶋 義記
大垣市民病院小児科
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重松 秀一
信州大学医学部
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近藤 富雄
大垣市民病院
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重松 秀一
信州大学医学部第1病理学
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