樹皮に沈着した重金属汚染モニタリングのための合成樹脂接着剤を用いる新しいサンプリング法の開発

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概要

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環境汚染評価のための広域・高密度なモニタリング法として，合成樹脂接着剤を用いる樹皮に沈着した重金属汚染物質のサンプリング手法の開発を行った．樹木（ケヤキ）の地上から約160 cmの高さの外樹皮表面に，セメダインハイスーパー5を塗布し，硬化後に剥離して，誘導結合プラズマ質量分析装置で分析を行った．V，Zn，Cd，Sb，W，Pbは接着剤により効率的に回収でき，環境汚染評価に使えることが分かった．この接着剤剥離法により，都市域，郊外，森林地域を含む6地点における環境汚染評価を行ったところ，都市域におけるV，Cu，Zn，Cd，Sb，W，Pbの濃度（例 : Pb 1920 ng cm−2）は，森林地域における濃度（例 : Pb 153 ng cm−2）の約10倍高く，それぞれの地点における汚染の特色を得ることができた．本手法は迅速・簡便で樹木へ与えるダメージが少ない採取法であることから，今後は様々な地域における汚染評価へ適用することが期待される．
2009-04-05

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