北海道湧別町における牛ウィルス性下痢ウィルス感染に関する量的リスク評価
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概要
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北海道では2004年からBVDV対策が一部で施行されるようになった。湧別町ではその先駆けとして,2002年からBVDVコントロール活動を開始し疫学データを収集してきた。本研究ではこのデータに基づき,感染が一番広がりやすいと考えられている公共牧場に注目し,公共牧場利用未経産牛に対する入牧前における感染牛の摘発・淘汰とワクチネーションではどちらがBVDV対策にとって有効であるかを判定するための4つのシナリオを設定し,感染リスクを量的に表し比較検討した。その結果,予防対策をなにも行わない場合では,町内にある100軒の酪農家のうち年間で25〜26軒の農場で少なくとも1頭の牛がBVDV感染症に感染する可能性が示唆された。また,ワクチネーションだけでは侵入を防げられず,どちらか一方しか使えない場合では,診断テストによる感染牛の摘発・淘汰のほうがリスクを下げるためには有効であることが推定できた。さらに,5つ目のシナリオとして,町外からの牛購入に起因するリスクについても定量化した。
- 獣医疫学会の論文
- 2007-07-20
著者
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門平 睦代
帯広畜産大学畜産学部
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田島 誉士
北海道大学大学院獣医学研究科
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田島 誉士
北大 大学院獣医学研究科 動物病院
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田島 誉士
北海道大学大学院獣医学研究科附属動物病院
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安富 一郎
ゆうべつ牛群管理サービス
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マルコフ ジェニファー
スイス連邦獣医局
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田島 誉士
根室地区nosai西春別支所
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門平 睦代
帯広畜産大学・畜産学部
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田島 誉士
酪農学園大学獣医学部
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