種々の動物由来豚丹毒菌のアクリフラビン耐性度とRAPD型別による疫学的解析
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
豚丹毒菌野外分離株32株(豚由来20株,牛由来5株,鶏由来5株,と畜場の牛枝肉由来1株とまな板由来1株)についてアクリフラビン耐性試験とRAPD法による遺伝子型別を行い,7株の参照株と比較した。用いたプライマー13種のうち,NK6とD9355のプライマーによって良い結果が得られた。すなわち,プライマーNK6によって豚丹毒菌は5つのRAPDパターン(a〜e)に分かれ,D9355によって8つのRAPDパターン(A〜H)に分かれた。しかしながら,これらのパターンは血清型とは無関係で,同じ血清型でも異なるパターンが得られたことから,RAPD法は本菌種間の遺伝的差異を特定できることが示唆された。また,生ワクチン製造用株を含む血清型1a株のいくつかはそれらのアクリフラビン耐性度が異なっても遺伝的には相互に近い関係にあることが示された。これらの結果から,プライマーD9355を用いるRAPD法は種々の動物由来豚丹毒菌を迅速に分類する信頼できる方法として本菌の疫学的解析に有用であると思われた。
- 獣医疫学会の論文
- 2007-07-20
著者
-
澤田 拓士
日本獣医生命科学大学獣医微生物学教室
-
澤田 拓士
日本獣医生命科学大学
-
澤田 拓士
日本獣医畜産大学獣医学部獣医微生物学教室
-
HASSANEIN Raafat
日本獣医生命科学大学獣医微生物学教室
-
鈴木 吉一
山形県内陸食肉衛生検査所
関連論文
- 子牛の鼻腔ノカルジア症(短報)
- 日本の鳥類由来 Pasteurella multocida 株における細胞付着遺伝子および付着蛋白抗原の分布
- 食中毒細菌の穀類加工品での生残とカテキン類の効果
- 鳥類由来Pasteurella multocidaの単クローン抗体による精製39kDa莢膜蛋白のマウスにおける感染防御能(短報)
- 感染性の敗血症を起こしたウズラから分離されたPasteurella multocida(短報)(細菌学)
- 我国で食肉衛生検査所から分離されたアクリフラビン耐性Erysipelothrix rhusiopathiae(短報)
- ネズミコリネ菌のシリアンハムスターに対する病原性
- 犬の細菌性膿皮症および細菌性尿路感染症を適応症とする動物用抗菌性物質製剤の臨床試験実施基準の設定について
- Pasteurella multocida 国内分離株における細胞付着遺伝子の分布
- 3.牛の上部気道におけるMannheimia heamolyticaの分離と薬剤感受性(一般講演,第21回日本獣医畜産大学学術交流会)
- 関節炎罹患豚由来アクリフラビン耐性豚丹毒菌の病原性と遺伝学的性状
- 健康牛の扁桃由来 Erysipelothrix 属菌の豚に対する病原性
- 健康牛における Erysipelothrix 属菌の保菌状況
- 日本における豚由来Streptococcus suis薬剤感受性に関する10年間の調査
- 健康牛からの Erysipelothrix 属菌の分離と分離株の諸性状
- 実験動物の齧歯類から分離されたPasteurella pneumotropicaの16S rDNAに基づく系統樹解析(短報)(実験動物学)
- 緒言 (特集 国内に分布する抗菌剤耐性菌のコントロールに向けて)
- 腐生性真菌の深在性真菌症誘発の可能性
- 飼料から分離した Fusarium 代謝産物の遺伝毒性
- 潜在的感染能を有する腐生性真菌の生物学的特性
- Eurotiumの発育におよぼす水分活性、温度、浸透圧条件の影響および酵素活性
- まとめ (特集 日本の薬剤耐性菌モニタリング体制--その確立への課題)
- 種々の動物由来豚丹毒菌のアクリフラビン耐性度とRAPD型別による疫学的解析
- 種々の動物由来豚丹毒菌のアクリフラビン耐性度とRAPD型別による疫学的解析
- 関節炎罹患豚由来アクリフラビン耐性豚丹毒菌の病原性と遺伝学的性状
- 日本における家禽コレラ : その発生と分離Pasteurella multocidaの諸性状
- 関節液の生菌発育凝集抗体価測定による関節炎型豚丹毒の診断
- Moraxella bovisによる牛の心内膜炎の1例
- Nocardia asteroidesによる牛乳房炎の1例
- CTX-M-2型 β-ラクタマ-ゼ産生Klebsiella pneumoniaeによる牛乳房炎の発生