アフラトキシンB_1誘導ラット肝癌由来K2細胞は癌幹細胞の性質を有している
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概要
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今回,我々はアフラトキシンB1 誘発ラット肝癌K2 細胞に幹様細胞(癌幹細胞)が存在することを明らかにするために,side population(SP)細胞およびstemness 遺伝子発現の解析を試みた.ローダミンを用いたフローサイトメーター解析により,K2 細胞は癌幹細胞であるSP 細胞を約89%と高い割合で含んでいることが明らかとなった.さらに,胚性幹細胞の特徴である多分化能と自己複製能の維持に関与するstemness遺伝子であるsox2, nanog, klf4, Ras ファミリーE-ras およびポリコームファミリー bmi1 遺伝子のK2 細胞での発現レベルを解析したところ,これらの遺伝子は強く発現されていた.一方,成熟肝細胞の特異的マーカー遺伝子であるアルブミンおよびチロシンアミノトランスフェラーゼ(TAT)の発現は非常に低レベルであった.これらの結果より,K2 細胞はstemness 遺伝子の発現を獲得することにより,典型的な癌幹細胞としての性質を有していると考えられる.
- 2007-07-31
著者
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川崎 靖
東京理科大学 基礎工学部 生物工学科
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山崎 富生
東京理科大学 基礎工学部 生物工学科
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後藤 良隆
東京理科大学 基礎工学部 生物工学科
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古宮 裕子
東京理科大学 基礎工学部 生物工学科
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倉部 誠也
東京理科大学 基礎工学部 生物工学科
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安達 尚美
東京理科大学 基礎工学部 生物工学科
-
三浦 成敏
東京理科大学 基礎工学部 生物工学科
-
田代 文夫
東京理科大学 基礎工学部 生物工学科
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轟 理沙
東京理科大学基礎工学部生物工学科
-
根本 清光
静岡県立大学薬学部衛生・分子毒性学分野
-
出川 雅邦
静岡県立大学薬学部衛生・分子毒性学分野
-
出川 雅邦
静岡県立大学薬学部衛生分子毒性学分野
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根本 清光
静岡県立大学薬学部衛生分子毒性学分野
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田代 文夫
東京理科大学基礎工学部生物工学科
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出川 雅邦
静岡県立大学薬学部
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根本 清光
静岡県立大学薬学部
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