血液透析導入患者におけるバスキュラーアクセスの選択 : 背景因子の検討
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概要
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血液透析に不可欠のバスキュラーアクセスの必要条件は,安定した血液透析が可能で,心負荷の点で患者のQOLを損なわないことである.今回,血液透析導入時のバスキュラーアクセス選択について背景因子を検討した.2003年と2004年に当院で血液透析導入した94名において,プライマリーアクセスとして動静脈内シャント(以下AVF)は79例(85%)であった.AVF以外の15例は,心機能低下(10例),動静脈の問題(8例)のいずれかまたは両者を有していた.動脈表在化を選択した低心機能の患者は比較的長期にわたり安定した維持透析が可能であった.また,長期型バスキュラーカテーテルを選択した4例は心機能低下のほか,麻酔の侵襲が危惧される全身状態不良例であった.長期型バスキュラーカテーテル4例はいずれも,1〜29か月で死亡していたが,その原因は感染ではなく,すべて原病の増悪あるいは突然死であった.アクセス選択に影響する患者因子は心機能,動脈硬化症の進行,前腕静脈の荒廃,加齢であった.
- 社団法人 日本透析医学会の論文
- 2008-05-28
著者
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三瀬 直文
東京大学 分子血管病態学
-
栗田 宣明
三井記念病院腎臓内科
-
崔 啓子
三井記念病院腎臓内科
-
栗田 宜明
三井記念病院腎臓内科
-
西 隆博
三井記念病院腎臓内科
-
三瀬 直文
三井記念病院腎臓内科
-
多川 斉
三井記念病院腎臓内科
-
杉本 徳一郎
三井記念病院腎臓内科
-
三村 維真理
三井記念病院内科
-
多川 斉
三井記念病院腎センター
-
多川 斉
上智大学
-
多川 斉
三井記念病院内科
-
杉本 徳一郎
三井記念病院 腎臓内科
-
杉本 徳一郎
三井記念病院内科腎センター部
-
三瀬 直文
三井記念病院 腎臓内科
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