腸管細胞増殖と腸管フローラ

元データ 2005-01-01

概要

腸管粘膜細胞の増殖・分化は,消化管ホルモンなどの液性因子や食餌由来の腸管内増殖因子などにより巧妙に調節されている.腸管内の増殖因子として,ペクチンなどの水溶性食物繊維には顕著な腸粘膜増殖作用があり,それには発酵性と粘稠度が関与している.発酵により生じた短鎖脂肪酸,特に酪酸は大腸粘膜細胞の栄養源であり,腸管増殖因子としても作用する.一方,酪酸には抗炎症作用があり,傷害腸管の修復にも関与する.これらは,デキストラン硫酸(DSS)にて作成した潰瘍性大腸炎モデルにおいても確認されている.さらに,酪酸産生菌である Clostridium butyricum M588経口投与によってもDSS大腸炎の炎症修復が確認された.一方,発芽大麦から精製されたGerminated barley foodstuff (GBF)は,潰瘍性大腸炎モデルなどによる基礎研究の成績をもとに臨床応用され,優れた臨床成績から病者用食品として認可されている.また,レクチンにも食物繊維と同様の腸粘膜増殖作用があるが,これらは腸内細菌叢に影響を及ぼすことなく,おもに腸粘膜への直接的な増殖作用とされている.これらの増殖因子は傷害からの修復にも寄与するものと考えられる.

著者

藤山 佳秀 滋賀医科大学内科学講座
藤山 佳秀 滋賀医科大学 消化器内科
安藤 朗 滋賀医科大学内科学講座
藤山 佳秀 滋賀医科大学
辻川 知之 滋賀医科大学第2内科
佐々木 雅也 滋賀医科大学第2内科
佐々木 雅也 滋賀医科大学
辻川 知之 滋賀医科大学 消化器内科
荒木 克夫 滋賀医科大学 消化器内科
安藤 朗 滋賀医科大学 消化器内科
佐々木 雅也 滋賀医科大学 消化器内科

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