脳スライス標本を用いた細胞内記録法によるニューロンの機能解析
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概要
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Sharp grass electrodeを用いた細胞内記録法は,in vivo,in vitroを問わず多くの実験系で行われ,多くの成果を上げてきた.その一方で,現在,ニューロンの機能解析に関してはパッチクランプ法によるアプローチが全盛である.しかしsharp grass electrodeを用いた細胞内記録法には,細胞質のwashoutを最小限に抑えられること,成熟動物標本へ適用しやすいといったパッチクランプ法に勝る長所がある.また,記録細胞にbiocytin等を注入して染色する場合,sharp grass electrodeを用いれば細胞外への漏れがほとんどなく,極めて美しい標本を作成することが出来る.したがって細胞内記録法は,パッチクランプ法では得ることが困難な情報を引き出せる手法であり,お互いを相補的に用いることによって,より多くのニューロンの情報を解析することが出来る.本稿では,脳スライス標本を用いた細胞内記録法について,パッチクランプ法と比較しながらその手技を紹介する.
- 社団法人 日本薬理学会の論文
- 2006-11-01
著者
-
越川 憲明
日本大学歯学部薬理学教室
-
小林 真之
日本大学歯学部薬理学講座
-
藤田 智史
日本大学歯学部薬理学講座
-
越川 憲明
日大・歯・薬理
-
小林 真之
大阪大 院 歯 高次脳口腔機能
-
小林 真之
大阪大学大学院歯学研究科高次脳口腔機能学
-
藤田 智史
日本大学歯学部口腔外科学教室第2講座
-
小林 真之
日本大学歯学部 薬理学教室
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