秋田県における小規模事業所の受動喫煙防止対策と従業員の健康状態の関連

概要

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喫煙による健康影響として, がんや虚血性心疾患へのリスクとともに, 聴力障害, 脂質代謝異常などが報告されている. Teshima et alは20〜39歳の男性健康診断受診者を対象とした研究において中程度(10〜19本/日)〜多量(20本以上/日)喫煙者の血清中性脂肪が非喫煙者より有意に高く, HDLコレステロールが有意に低いことを報告した. また, 人間ドック受診者を対象とした研究では, 血中コチニン濃度と中性脂肪との間に有意な正の関連が見られ, 喫煙群(血中コチニン濃度25ng/ml以上)と判定された対象者には受動喫煙者も含まれると推定された. このように, 喫煙および受動喫煙は健康診断の測定結果にまで影響を及ぼすことが予想される. わが国の平成15年の職域定期健康診断(以下, 定期健診)の有所見率は47. 3%で年々増加している. 同年の秋田県の定期健診有所見率は59.8%であり, 事業所規模が小さい程高い傾向があった(秋田労働局調べ). 職場は労働者にとって生活の場の一部であり, 事業所の受動喫煙防止対策は労働者の健康に大きく影響すると考えられる.
2005-07-20