日独における環境配慮行動の認知についての社会心理学的アプローチ
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概要
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本研究では,社会心理学的観点から個人の環境配慮行動に着目し,日独での比較をおこなった。調査1では,「環境配慮行動」としてどのような行動がイメージされるかを検討し,質的な分析をおこなった。日独では行動の総数自体に違いはないが,交通関連のカテゴリーはドイツのほうが多かった。どちらの国でも共通してもっとも回答数が多いのは3R行動で,少ないのは市民活動であった。調査2ではそれぞれの行動について,難易度,環境保全の効果,わかりやすさを評定させ,数量的に分析した。全体的にドイツのほうが難易度を低く,効果を高く評価する傾向があった。市民活動は日独で共通してもっとも難易度が高く,効果が低いと認知されていた。The present study focused on individual environmentally-conscious behaviors from social psychological perspective and compared Japan and Germany cross culturally. Study 1 asked the respondents to write down 'environmentally-conscious behaviors' in free response format to analyze its contents qualitatively. The total number of responses did not differ significantly between countries, but the number of responses for transportation behavior was larger in Germany. In both countries, 3R behaviors had the largest responses, while collective action had the least. In Study 2, difficulty, efficacy and understandability were measured for each behavior. Basically, German respondents tended to evaluate each behavior to be relatively easier and have higher efficacy. Collective action was evaluated to be most difficult and have least efficacy in both countries.
- 2005-03-15
著者
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ブローバウム アンカ
Ruhr-university Bochum Faculty Of Psychology
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大沼 進
北海道大学大学院文学研究科 行動システム科学講座
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安藤 香織
奈良女子大学生活環境学部
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安藤 香織
日本学術振興会:名古屋大学
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マチエス エレン
Helmut-Schmidt University, University of the Federal Armed Forces
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マチエス エレン
Helmut-schmidt University University Of The Federal Armed Forces
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安藤 香織
奈良女子大学人間文化研究科 人間環境学専攻 生活文化コース
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大沼 進
北海道大学大学院文学研究科
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大沼 進
北海道大学
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