抗凝固療法患者のプロトロンビン濃度から見た抗血小板薬との相互作用の検討
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概要
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最近抗凝固療法においてwarfarinと抗血小板薬が併用は少なくない. そこでwarfarin単独治療患者とwarfarinと抗血小板薬併用患者についてプロトロンビン濃度を測定して, 抗血小板薬のプロトロンビンに与える影響について検討を行った. 対象は, 1997年5月から1999年1月までの心臓弁置換術後の抗凝固療法を施行中の患者血漿126検体 (平年齢59. 3歳, 男女比64/62) とした. プロトロンビン濃度はwarfarin単独治療群 (40検体) で49.6μg/ml, aspirinとの併用群 (28検体) で57.1μg/ml, aspirinとdipyridamoleとの併用群 (15検体) で49.1μg/ml, dipyridamoleとの併用群 (29検体) で51.1μg/ml, ticlopidineとの併用群 (14検体) で51.7μg/mlであり, 5群間で有意差は認められなかった. またwarfarin平内服量も5群間で有意差はなかった. 抗血小板薬のプロトロンビンに与える影響は認められず, それぞれの薬剤が抗凝固と抗凝血におのおの作用しているのが確認された.
- 日本血栓止血学会の論文
- 2002-02-01
著者
-
岩橋 英彦
福岡大学心臓血管外科
-
岩橋 英彦
福岡大学医学部心臓血管外科
-
木村 道生
福岡大学医学部心臓血管外科
-
財津 龍二
福岡大学医学部心臓血管外科
-
本村 禎
福岡大学医学部心臓血管外科
-
森田 隆司
明治薬科大学生体分子学
-
木村 道生
福岡大学医学部
-
森田 隆司
明治薬科大学
-
森田 隆司
明治薬科大学 生体分子学教室
-
森田 隆司
福岡大学 医学部心臓血管外科
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