高齢者に対するワーファリンによる抗凝固療法の検討
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概要
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今回われわれは, ワーファリンによる抗凝固療法施行中の患者に対し, Carinactivase-1 (CA-1) を用いて血漿プロトロンビン濃度 (凝固第II因子) を測定し, 加齢に伴うワーファリン使用量と血漿プロトロンビン濃度の変化について検討をした. 1997年5月から1999年1月までに採取できた227検体を, ワーファリン非使用の高齢者 (70歳以上) と若年者の2群とワーファリン使用の高齢者と若年者の2群の計4群に分けてCA-1法, PT-INR, Thrombotest (TT) を施行した. ワーファリン非投与群 (高齢者32検体, 若年者63検体) では, 血漿プロトロンビン濃度は, 平均値で高齢者116.5±55.3μg/ml, 若年者116.7±45.7μg/mlで有意差なく, 血漿プロトロンビン濃度に差はなかった. またPT-INR値, TT値でも有意差は認められなかった. ワーファリン投与群 (高齢者26検体, 若年者106検体) では, 血漿プロトロンビン濃度は, 平均値で高齢者50.1±18.6μg/ml, 若年者52.3±12.7μg/mlで有意差なく, PT-INR値, TT値も同様の結果であったが, ワーファリン投与量については, 高齢者2.2mg/日, 若年者2.9mg/日と高齢者で有意に低下していた. またワーファリン投与量と年齢での相関は, R=0.221, P=0.0154と弱い相関が認められた. 以上より, 高齢者と若年者では血漿プロトロンビン濃度に違いはなかったが, ワーファリンの投与量は若年者に比し, 高齢者で減少していた.
- 日本血栓止血学会の論文
- 2001-04-01
著者
-
岩橋 英彦
福岡大学心臓血管外科
-
岩橋 英彦
福岡大学医学部心臓血管外科
-
木村 道生
福岡大学医学部心臓血管外科
-
財津 龍二
福岡大学医学部心臓血管外科
-
本村 禎
福岡大学医学部心臓血管外科
-
森田 隆司
明治薬科大学生体分子学
-
木村 道生
福岡大学医学部
-
森田 隆司
明治薬科大学
-
森田 隆司
明治薬科大学 生体分子学教室
-
森田 隆司
福岡大学 医学部心臓血管外科
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