電気化学的方法を用いた塑性流体撹拌流動域境界の測定

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不十分な動力で塑性流体を攪絆する場合に生じる局所流動領域境界の測定に電気化学的方法を適用した．試験流体にはNaOHで増粘したカルボキシビニルポリマー水溶液を用いたが，金属イオンを混入すると粘度・降伏応力が激減したので，水の電気分解反応を電極反応として利用した．陰極には長さ1mmの細い白金線プローブを用い，電流電圧曲線の速度依存性を調べるために静止流体中でプローブを取りつけたアームを回転させた．水素発生がない最大の電圧1Vを両極に印加して電流の流速依存性を調べた結果，低流速ほどプローブの感度は大きくなり，本法が静止域と流動域の境界測定に適していることが分かった．円筒槽内のカルボキシビニルポリマー水溶液をRushtonタービン翼で攪拌したときに生じる翼周りの流動域（cavern）の境界測定に本法を適用した．プローブを槽内のr-z平面上で移動させて電流値を測定し，その分布が急激に変化する位置をcavern境界として決定した．このようにして求めたカルボキシビニルポリマー水溶液のcavern境界はCongo Redを翼領域に注入して可視化したcavern境界の外側に位置し，可視化cavernの外側に旋回流が存在することがわかった．また，電流の変動成分は二つの周期からなり，短い周期は翼のブレード通過周期，長い周期はcavernの膨張収縮の変動周期と一致した．
2002-05-20

電気化学的方法を用いた塑性流体撹拌流動域境界の測定

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