大豆タンパク質の冷蔵ゲル化におよぼす糖質,エチレングリコールおよび脂質の影響
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概要
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加熱分離大豆タンパク質の冷蔵ゲル化に及ぼす糖質,エチレングリコールおよび脂質の影響を調べた.<BR>(1) ショ糖は冷蔵ゲルのゲル強度を低下させた.このショ糖のゲル化阻害はショ糖とタンパク質との強い親和性により,タンパク質分子間での相互作用が抑制されたたあであることが示唆された.一方,小麦澱粉の冷蔵ゲル化に及ぼす影響はみられなかった.<BR>(2) エチレングリコールはゲル化阻害作用が大きく,10%濃度で冷蔵ゲルはほとんど形成しなかった.これはエチレングリコール分子のもつ疎水性がタンパク質間での疎水的相互作用を妨げ,網目構造形成を抑制したためであることが示唆された.<BR>(3) 脂質について,中性油脂である大豆油と極性油脂である大豆レシチンとではその作用が大きく異なった.大豆油では2.5%濃度において,大豆油無添加ゲルに対してゲル強度約20%および変形率10%の低下を示し,これ以上の濃度ではゲル強度および変形率の低下は小さかった.一方,大豆レシチンは濃度増加に伴って直線的に冷蔵ゲルのゲル強度と変形率を低下し,10%濃度ではゲル化をほとんど阻害した.このことから大豆レシチンによるゲル化阻害はレシチン分子の有する疎水性に起因することが示唆された.
- 1997-01-15
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