冷蔵ゲル形成過程における大豆タンパク質の分子構造変化
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概要
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加熱分離大豆タンパク質の冷蔵によるゲル形成過程におけるタンパク質分子の変化について調べ,以下の知見を得た.<BR>(1) 冷蔵ゲル形成過程でのタンパク質のME, U, SDSに対する溶解性挙動より,SS結合,疎水性結合並びに水素結合の生成が示唆された.特に,加熱ゲルや凍結ゲルと比べUによる可溶化が大であることから,水素結合と疎水結合の大きな関与が考えられた.<BR>(2) 冷蔵ゲル形成過程における蛍光強度値の低下が加熱ゲルや凍結ゲルの場合よりも大であることから,他のゲル化に比べ疎水結合の関与が大であると考えられた.<BR>(3) SH含量はゲル化に伴つて低下した.冷蔵ゲル化の場合は加熱ゲル化や凍結ゲル化と比べてその低下が小さかつたことから,他のゲル化に比べて,例えばSS結合などの関与は小さいと考えられた.<BR>(4) 冷蔵ゲル形成過程において,塩基性サブユニットバンドIと酸性サブユニットバンドVIの減少が認められた.冷蔵ゲル化が7Sグロブリンの寄与によることから推察して,冷蔵ゲル化におけるタンパク質の構造変化はこれらのサブユニットのうち,特に,塩基性サブユーットバンドIの減少と関係すると考えられた.
- 1995-07-15
著者
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