必修授業における上級生から下級生へのピアカウンセリングの試み : その効果と考察(1)
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
本研究では,文教大学教育学部心理教育課程の1年生107名に対して,同課程の3,4年生48名が,1年次の必修科目である「カウセリング」の授業の一コマを使って個人面接による20分間のピアカウンセリングを行った.1年生に対して,ピアカウンセリング体験の前後で質問紙調査を行い,その効果を検討した.POMS短縮版では,体験後に有意に気分の改善がみられた.「カウンセラーに対して好感や信頼感が持てましたか」「カウンセラーと気持ち良くコミュニケーションをとることができましたか」「今回のカウンセラーとの面接はあなたの役にたちそうですか」との問いに対して5件法で回答を求めたが,否定的な回答をした者はなく,95%以上の者が肯定的な回答をした.自由記述からは,ピアカウンセリング体験が,①情報を得られた,②カウンセラーのモデルができた,③気持ちの変化,④話や相談ができた,⑤自己理解・自己発見,の契機となり今後の生活にも役立つと多くの学生が感じたことが確認された.これらのことからは,必修授業の中にピアカウンセリング体験を導入することが,学生のメンタルヘルスや大学生活を支える一助となり得る可能性が考えられた.
- 文教大学の論文
著者
関連論文
- 保育者におけるカウンセリング学習ニーズ : 埼玉県内の保育所・幼稚園の保育者調査から
- 児童のソーシャル・スキル(1) -性差を中心に-
- PA094 通級指導教室におけるコラージュ療法を用いた児童理解と支援 : コラージュ制作前後における児童の気分変化について
- 子育て支援とカウンセリング(3): 埼玉県内の幼稚園教諭を対象とした調査から
- PA104 子育て支援におけるカウンセリングニーズ : 埼玉県内の幼稚園教諭を対象とした調査から
- 子育て支援とカウンセリング(2) -埼玉県内の保育所の保育者を対象とした調査から-
- 子育て支援とカウンセリング (1) - 保育者のカウンセリングに対するニーズを中心に
- 保育士のストレスに関する研究(1)職場のストレスとその解消
- P-2 コラージュ制作前後の気分変化とその要因(治療技法他,ポスターディスカッション,今,心身医学に求められるもの-基礎から臨床まで-,第52回日本心身医学会総会ならびに学術講演会)
- 必修授業における上級生から下級生へのピアカウンセリングの試み : その効果と考察(1)
- 保育者におけるカウンセリング学習ニーズ : 埼玉県内の保育所・幼稚園の保育者調査から
- 保育士のストレスに関する研究(1) : 職場のストレスとその解消
- 上級生から下級生へのピアカウンセリングの試み 2
- 必修授業における上級生から下級生へのピアカウンセリングの試み : その効果と考察(1)
- 男性保育者に求められる役割と問題
- 保育者が感じている問題とカウンセリングニーズ