上級生から下級生へのピアカウンセリングの試み 2
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概要
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文教大学教育学部心理教育課程の1年生104名に対して、同課程の3・4年生67名が、1年次の必修科目である「カウンセリング」の授業の一コマを使って個人面接による20分間のピアカウンセリングを行った。下級生・上級生共に、カウンセリングへはもともと関心を持っていたが、ピアカウンセリング体験後にはそれが上がっていた。カウンセリングが自分自身に役立つ理由として、下級生は自己の気持ちの変化や自己発見をあげていたが、上級生は、カウンセリングへの気づき、人間関係や日常への応用、職業上役に立つなど、将来へのまなざしを持ってその有用性を認めていた。 ピアカウンセリング体験前後の下級生と上級生のPOMS得点変化で気分の変化を見ると、いずれも有意に得点が下がっており、カウンセリングの効果が示唆された。 ピアカウンセリング体験の結果のフィードバックの効果をみるために、上級生に、下級生の気持ちを感じ取れたかどうかを尋ねたところ、ピアカウンセリングを行った直後より、POMS短縮版の採点や下級生の感想を読んだ直後の方が有意に上がっていた。その理由を見ても、フィードバックの効果が示唆されており、ピアカウンセリングは、下級生ばかりでなく上級生にとっても効果があり、将来教員や保育士といった職業を持つためのよりよい支援になることも示唆された。
- 2013-03-01
著者
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