必修授業における上級生から下級生へのピアカウンセリングの試み : その効果と考察(1)
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概要
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本研究では,文教大学教育学部心理教育課程の1年生107名に対して,同課程の3,4年生48名が,1年次の必修科目である「カウセリング」の授業の一コマを使って個人面接による20分間のピアカウンセリングを行った.1年生に対して,ピアカウンセリング体験の前後で質問紙調査を行い,その効果を検討した.POMS短縮版では,体験後に有意に気分の改善がみられた.「カウンセラーに対して好感や信頼感が持てましたか」「カウンセラーと気持ち良くコミュニケーションをとることができましたか」「今回のカウンセラーとの面接はあなたの役にたちそうですか」との問いに対して5件法で回答を求めたが,否定的な回答をした者はなく,95%以上の者が肯定的な回答をした.自由記述からは,ピアカウンセリング体験が,1.情報を得られた,2.カウンセラーのモデルができた,3.気持ちの変化,4.話や相談ができた,5.自己理解・自己発見,の契機となり今後の生活にも役立つと多くの学生が感じたことが確認された.これらのことからは,必修授業の中にピアカウンセリング体験を導入することが,学生のメンタルヘルスや大学生活を支える一助となり得る可能性が考えられた.
- 2011-12-20
著者
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