医療技術職の専門分化過程における職業意識の考察(ニ)〜精神科作業療法従事者の専門分化と職業倫理〜
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概要
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前報では、1965年の作業療法士身分法制定以前から精神科領域で作業療法を実施していた看護者による著作物記述をプロフェッショナリズムの特徴から考察し、患者のためを思うと倫理性のうえで職種の専門分化に賛同し得ない意識が見出されることを指摘した。引き続き職業意識の観点から専門分化を考察する際、佐藤(1992)及び山根(1999)による職種の方向性の論議が問題を提起する。佐藤は作業療法士が専門性や科学性を問われてアイデンティテイ・クライシスに遭遇することを指摘し、一層の専門性確立への方向性を示している。一方、山根は精神科作業療法の知識や技術が生活の中の工夫や知恵として取り込まれ、専門職を必要としない文化となることが理想と指摘している。本稿では明治期以降の精神科領域での取り組みに関する文献を参照し、先人たちの考え方の特徴を抽出することにより資格化から四半世紀を経た1990年代に提起された職種の方向性の意味を検討した。
- 2004-09-30
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