自己形成過程における大学生の専門分野実習の意義:フィンランド オウル大学の事例による考察
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概要
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大学教育に対する社会的要請として専門知識の修得に加えて、近年、キャリア形成支援が高まりつつある。現状では、大学で獲得した専門知識・技術の職業での活用度が低いこと(吉本2001)や、キャリア教育が必ずしも有効に機能せず、「自己実現アノミー」が生じていること(本田2009)が指摘されている。 本稿では「自己形成」を鍵概念に置いて、大学生の自己形成過程における専門分野での実習教育の意義を明確にした。自己形成過程では、ある「私」から見た時の、別の「私」との「対話」を通して「他者化された『私』」も含む「対話的自己」を通して自己理解が進む。大学での専門知識・技術の職業での活用度が高い国のひとつであるフィンランドの大学での聴き取りの結果、学生が専門分野の実習を通して対人的フィードバックを受け、また自己との対話を重ねていく過程から現状の専門性に対する自己適性を認識し、専門性の軌道修正が促されていることを検証した。
- 2010-09-30
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