横モード結合共振器を用いたデジタル携帯電話用平衡型IF SAWフィルタ

概要

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移動体通信分野の需要拡大に伴い、デジタル携帯電話やデジタルコードレス電話(GSM,PHS)などの開発が盛んに進められている。最近はセットの小型化に伴う高密度実装化により、接地やシールド不足による部品間の結合や干渉が問題となっており、その影響を抑えるため平衡型回路の開発が進められている。従来の受信1st IFフィルタには小型化に優れ、狭帯域かつ低損失な特性を特徴とする横モード結合共振器型SAWフィルタがよく用いられてきた。しかしその電極構成は不平衡型であり、素子の実装状態による特性のバラツキも大きかった。そこで特性が安定し、平衡型ICに直接接続できる平衡入出力型のSAWフィルタが求められている。また、機器の高性能化に対応した従来より広帯域なフィルタ特性も求められている。我々は横モード結合共振器型SAWフィルタの平衡入出力化を検討し、その開発を行なった。また広帯域化に関しては、SAWフィルタを2個並列に接続して構成した横モード並列接続型SAWフィルタをシミュレーションに基づいて設計し、その試作評価を行なったので報告する。
電子情報通信学会の論文
1994-09-26