化学実験を題材としたマイクロワールド型教育システムにおけるプランニングとプラン認識を利用したアドバイス生成

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本論文では, マイクロワールド型教育システムにおいて, プランニングとプラン認識の技術を利用して学習者モデルを構築し, それを用いてアドバイスを生成する方法について議論する.マイクロワールド型教育システムにおいて学習者が学習中にいきづまってしまった場合, システムはアドバイスを与えるなどの方法で学習に介入する必要がある.このとき, 学習者に応じて適切に学習へと介入するためには, システムは学習者の行動を観測して学習者モデルを構築する必要がある.そのためには, 学習者が作業の目的を達成するために立てたと思われるプランを推定する能力を, システムが持つ必要がある.プランニングやプラン認識は自然言語理解やロボットの制御などの他の分野でも議論されている.マイクロワールド型教育システムにおいてアドバイス生成のためにプランニングあるいはプラン認識技術を利用する場合, 他の分野と比較して簡略化できる部分もあるが, 一方で他分野にはない問題を考慮する必要が生じる.プランニングやプラン認識を簡略化できる理由としては, マイクロワールド型教育システムでは教育目標に応じてシステムが用意した仮想世界を扱うために, その世界に対する操作が限定され, 不確定な要因によって世界が変化することがないこと, また, 作業の最終的な目的が明確であることがあげられる.他分野にはない問題としては, システムには観測できないが実験の手順としてはする必要のある行為や, 試行錯誤を行う中で学習者がする冗長な行為や悪影響を与える行為を扱わなければならないという点があげられる.本論文では, これらの特徴や問題点を整理し, 問題点の解決案を示し, 学習者のなした操作を観測しながら学習者が持つと思われるプランを認識する方法について提案する.また, 認識されたプランをもとに, アドバイスを生成する方法を示し, この手法を用いて実装した試作システムの動作を紹介する.試作システムは, 高校化学の中和反応実験を題材としており, 実験の途中でいきづまったと思われる学習者に対して, 行動を示唆するタイプのアドバイスを生成することができる.
人工知能学会の論文
2001-01-01

化学実験を題材としたマイクロワールド型教育システムにおけるプランニングとプラン認識を利用したアドバイス生成

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