再発性多発軟骨炎―症例報告及び抗Ⅱ型コラーゲン抗体の検索―
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
再発性多発軟骨炎(Relapsing Polychondritis)の4例を報告した.また患者血清中の抗Ⅱ型コラーゲン抗体(ELISA法),抗Ⅰ・Ⅱ型コラーゲン抗体及び抗エラスチン抗体(ウエスタンブロッティング,酵素抗体法)の検討を行った.抗Ⅱ型コラーゲン抗体は最も症状の強かった1例で,native,denatured共に陽性,他の1例でnativeのみが陽性,残り2例は何れも陰性であった.native,denatured共陽性例ではⅡ型コラーゲンのCB peptideでCB9,7,CB11,CB10,5を認識していた.また抗Ⅰ型コラーゲン抗体,抗エラスチン抗体は全例陰性であった.以上より本疾患は抗Ⅱ型コラーゲン抗体により惹起される可能性が高いが,エピトープは広い範囲に存在し,細胞性免疫や未知の物質に対する自己免疫も本疾患の成立に関与するものと考えられた.
- 公益社団法人 日本皮膚科学会の論文
著者
関連論文
- Teledermatopathology
- 培養ヒト皮膚線維芽細胞のコラーゲン合成に及ぼす胃潰瘍治療剤, プラウノトール(ケルナック^【○!R】)の影響
- 足白癬に対する塩酸テルビナフィンクリームの1週塗布と4週塗布の比較検討
- 趾爪白癬に対するイトラコナゾール間歇療法の至適サイクル数設定試験 : 爪甲内薬剤濃度の検討も含めて
- 症例報告 Lupus erythematosus tumidusの1例
- グロムス腫瘍の臨床および病理組織学的検討 : 粘液沈着とCD34発現の関連について
- 栄養障害型表皮水疱症の孤発例 : 劣性型か優性型か?
- 趾爪白癬患者におけるランダム化二重盲検並行群間比較試験によるイトラコナゾール(ITCZ)パルス療法至適用量・サイクル試験 : 1年間のフォローアップを含めて
- 皮膚感染症 : 皮膚腺病・爪白癬・疥癬
- アゾール系抗真菌剤の意義 : Itraconazoleを中心として
- 水疱症35年:過去・現在・未来
- ハムスターおよびチンチラより感染したTrichophyton mentagrophytesによるケルスス禿瘡と体部白癬
- 記載皮膚科から病態皮膚科へ : 自験例からのメッセージ
- 序にかえて
- 無治療で治癒した生毛部急性深在性白癬の1例
- パラコクシジオイデス症の1例
- Exophiala dermatitidisによるmelanonychiaの1例
- 21世紀の皮膚科学 Dermatology in the 21st Century
- 皮膚科学 (特集 臨床医学の展望2004--診断および治療上の進歩(2))
- 皮膚科学 (特集 臨床医学の展望2003--診断および治療上の進歩(2))
- 皮膚科学 (特集 臨床医学の展望--診断および治療上の進歩(4))
- ネフローゼ症候群に併発したクリプトコッカス髄膜炎の1例
- 免疫異常を伴う再発性紅斑:抗SS-B再発性紅斑
- 蛍光抗体補体染色による類天疱瘡抗体の脂漏性角化症細胞への反応性
- 再発性多発軟骨炎―症例報告及び抗Ⅱ型コラーゲン抗体の検索―
- 限局性強皮症とPSS特異抗Og抗体
- 進行性全身性強皮症の下顎骨病変
- Laser Doppler flowmeterを用いた全身性強皮症患者病変皮膚の血流測定
- 優性栄養障害型表皮水疱症(Cockayne-Touraine型)患者における皮膚,尿,血漿及び培養線維芽細胞の酸性ムコ多糖について
- 顆粒形を有するExophiala jeanselmeiによるchromoblastomycosisの1例
- 限局性強皮症患者血中抗Borrelia burgdorferi抗体の検討