フェノール樹脂の新しい設計と機能 : 環状ヒドロキノンオリゴマーの合成と機能化
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概要
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ヒドロキノン骨格からなる新規環状オリゴマーを, 簡便な方法で合成することができた。まず, p-メトキシフェノールとパラホルムアルデヒドとを, カリウムt-ブトキシド触媒下, テトラリン中で縮合させると, p-メトキシカリクス [8] アレーンが高収率で生成し, その際副生物として [7] アレーンが少量単離された。一方, p-メトキシフェノール線状オリゴマーをジフェニルエーテル中水酸化ナトリウム存在下で加熱すると, [6] アレーンが選択的に生成した。<BR>次に, 得られた環状オリゴマーのp-ヒドロキシカリクスアレーンへの変換を試みた。 [6] および [7] アレーンは三臭化ホウ素で処理すると容易に変換されたが, [8] アレーンについては低い溶解性のため困難であった。これらヒドロキノン型環状オリゴマーにおける下部水酸基は, 強く水素結合していることが明らかとなった。<BR>さらに, 合成が容易であるp-ヒドロキシカリクス [6] アレーンの機能化を目的とし, エステル基を導入した。このイオノホアはアルカリおよびアルカリ土類カチオンに対してCs選択的捕捉能を示した。また, 塩化セバコイルとの重縮合反応についても検討を加えた。
- Japan Thermosetting Plastics Industry Associationの論文
著者
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中本 義章
金沢大学工学部物質化学工学科
-
石田 真一郎
金沢大学工学部
-
山岸 忠明
金沢大学工学部・物質化学工学科
-
柳川 俊之
金沢大学工学部物質化学工学科
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金内 成
金沢大学工学部物質化学工学科
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中本 義章
金沢大学工学部
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山岸 忠明
金沢大学工学部 物質化学工学科
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