巨大な胃─腎短絡路に対するB-RTO施行後に急性膵炎を発症した1例
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概要
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症例は57歳女性.C型肝硬変症,肝性脳症の診断で当科入院.各種画像検査にて胃静脈瘤(Lg-cf, F2, RC-)と,巨大な胃─腎短絡路を認めた.内科的治療では肝性脳症のコントロールが不良であり,肝性脳症改善を目的に,バルーン閉塞下逆行性経静脈的塞栓術(B-RTO)を施行した.B-RTO後速やかに肝性脳症は消失し,肝予備能の改善も認めた.B-RTO後に食道静脈瘤が増悪し,内視鏡的静脈瘤結紮術(EVL)で予防治療を行った.B-RTO施行2日後に腰背部痛が出現,膵酵素の上昇,造影CTにて膵の軽度腫大と膵周囲の脂肪織濃度の上昇,軽度の液体貯留を認め,急性膵炎と診断した.膵炎は軽症で,内科的治療で速やかに改善した.今までに同様の報告例はなく,本症例が,B-RTO後に急性膵炎を発症した初めての症例報告である.
著者
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向坂 彰太郎
福岡大学病院 卒後臨床研修センター
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入江 真
福岡大学病院 卒後臨床研修センター
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東原 秀行
福岡大学病院 救命救急センター
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高良 真一
福岡大学病院放射線科
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吉満 研吾
福岡大学病院放射線科
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入江 真
福岡大学病院消化器内科
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阿南 章
福岡大学病院消化器内科
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浦川 博史
福岡大学病院放射線科
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横山 圭二
福岡大学病院消化器内科
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